Happy White Day!

望 「……どなたかお探しですか?」
望 「はは、後ろからすみません、驚かせてしまって。……探し人は俺で合ってますか?」
望 「……良かった。違ってたらどうしようかと思いましたよ」
望 「あの、急にお呼び出しして済みません。いらして下さって嬉しいです」
望 「因みに今日がどんな日だかは……ああ、良かった。知ってらして……」
望 「……嬉しいです」
望 「い、いえ、何でもありません。ええ、全くもって、はい」
望 「……済みません、平静を装っては居ますが実はものすごく心臓が煩い状態でして」
望 「今日、ここで貴女と逢いたいとお伝えした日も、実は手に酷く汗を掻いてました」
望 「格好悪いですよね……ですが、貴女を前にするととても緊張してしまいまして」
望 「……貴女がこういう話を聞いて、嬉しそうに笑って下さるのにだけは慣れましたが」
望 「面白いところ、ありましたか……? いえ、分かってます。別に貴女が俺のことを馬鹿にしている訳ではないということは」
望 「ただ、その、前にも言いましたが男相手に“可愛い”というのは無しですよ、ええ」
望 「そもそも貴女には可愛いところを見せたい訳ではなく、出来れば格好良いところをお見せしたい訳でして」
望 「その結果、貴女の心を少しでも動かせることが出来れば良いなぁと……というか俺は何を言ってるんでしょうね!?」
望 「すみません貴女はただ純粋な想いで俺にチョコレートを贈って下さったというのに俺のこの下心の有り様!」
望 「……いえ、大丈夫です落ち着いてます。非常に落ち着いてますし頭の中は鮮明です」
望 「…………」
望 「……と、とりあえず、あの、これ、貰って下さいますか?」
望 「中身は……見てのお楽しみです。色々考えたのですが、やはり自分の見立てよりは貴女が好きなものを、と」
望 「ええ、前に貴女が欲しいと仰っていたものを用意したつもりです」
望 「……随分前のことなので、もしかしたら貴女の記憶にないものを贈ってしまった可能性もありますが……」
望 「あの、返品大いに可能ですので……突っ返して頂ければ、また他の物を用意致しますから」
望 「遠慮なんてしないで下さい! ……貴女に喜んで頂けないと意味がないんですから」
望 「何度でも挑戦します。俺、絶対諦めませんから……だから、俺にだけは包み隠さず本音を聞かせて下さいね」
Happy White Day!
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